ない袖は振れぬ(ないそではふれぬ)
袖のない服を着ていたら袖を振ることはできない。そのように、実際にないものはどうにかして使おうと思っても使えない。ないものは出せないと言うこと。

泣きっ面に蜂(なきっつらにはち)
泣いているときに蜂に刺されたら痛くてますます泣きたい気持ちになる。そのように辛いことや苦しいことが一つある上にさらにもう一つ辛くて苦しいことが重なること。

なくて七癖あって四十八癖(なくてななくせあってしじゅうはちくせ)
誰でも癖はある。癖が全くないように見える人でも七つくらいの癖はあるし、癖がたくさんあるような人は四十八くらいあって癖を持っていない人はいないと言うこと。

情けは人のためならず(なさけはひとのためならず)
人に親切にしておくとその人のためになるだけでなく結局は自分のところに戻って来て良いことがあると言うこと。人に情けをかけて甘やかすのは良くないと言うのは間違った意味の使い方。

二階から目薬(にかいからめぐすり)
二階から下にいる人に目薬をさそうと思ってもうまくいかない。そのように物事が思うようにいかなくてイライラすること。また、やり方に無理がありうまく行くはずのないこと。

憎まれっ子世にはばかる(にくまれっこよにはばかる)
「はばかる」と言うのはいばる、はばをきかす、のさばること。人から嫌われたり嫌がられている人に限って出世をしたり成功したりして威張っているものだと言うこと。

二兎を追うものは一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)
うさぎを二匹とも捕まえようと欲張ると結局、一匹も捕まえられないことから、欲を出して二つのことを同時にしようとするとどちらもうまく行かないことを言う。

ぬかに釘(ぬかにくぎ)
ぬかは柔らかくてふわふわしている。そのぬかに釘を打っても何の手応えもないし、刺さらない。そのように、少しの手応えもないこと。また、効き目のないことを言う。

ぬれ手で粟(ぬれてにあわ)
「粟」はイネ科の穀物。粟をぬれた手でつかむと手にたくさんくっついてくることから、努力をしないで多くの利益をつかむこと。また、何もしないのにいい思いをすることを言う。

猫に小判(ねこにこばん)
猫に小判をやっても全然喜ばないし、その価値もわからない。そのことから、価値のわからない人に高価なものをあげても何の意味もなく無駄になると言うこと。

寝耳に水(ねみみにみず)
寝ているときにいきなり耳の中に水を入れられたらびっくりする。そのことから、思ってもいなかったことが突然起こって驚くこと。また、突然、驚かされるような出来事を言う。

念には念を入れよ(ねんにはねんをいれよ)
念を入れると言うのは、細かいところまで注意すること。何か物事をするときには、念を入れてさらにもう一度念を入れるくらいすみからすみまで、注意する必要があると言うこと。

能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)
「能」と言うのは能力や才能のこと。優れている鷹はするどい爪を隠していることから、本当に素晴らしい能力や才能を持っている人はそれを見せびらかしたりしないと言うこと。

残り物には福がある(のこりものにはふくがある)
普通に考えると最後に残ったものにはあまり良いものがなく損をしそうな気がする。でも最後に残ったものには意外にも思いもしなかった良いものや利益があると言う意味。

喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる)
熱いものを食べても喉を通り過ぎてしまえば、熱さは忘れる。そのことから、どんなに辛いことでもそのときを過ぎてしまえば、忘れてしまう。また、辛いときに受けた恩も楽になると忘れてしまうと言うこと。