インフレが終息した状態のこと。1979→80年の第2次石油ショックに伴うインフレを抑制するため,日本のほか欧米主要国は通貨供給量の伸びを厳しく抑えるとともに,金利も思い切って引き上げるなど,引き締め政策を強化した。この結果,主要国のインフレは急速に沈静化した。しかし,同時に,企業や消費者の行動が慎重になり,一見デフレに近い状態が起きた。例えば,住宅ローンを抱えている家計では,実質金利負担が大きくなり,その分消費活動が慎重になったし,企業にとっても安易に製品値上げに踏み切れないなどのため,慎重経営を余儀なくされた。しかし,ディスインフレによる景気の停滞はあくまで,企業や消費者がディスインフレの状態に慣れるまでの一時的現象と見られている。従ってディスインフレは,需要に対し供給が大幅に上回る結果起こるデフレとは異なる概念である。