スンダ列島に位置するティモール島の東半分をめぐる独立紛争。1945年のインドネシア独立とともに西半分はインドネシア領となったが,東半分はポルトガルの統治が続いた。74年にポルトガルが植民地支配を放棄。翌年,東ティモール独立革命戦線が独立を宣言したが,インドネシア軍が軍事介入。同国は76年に併合を宣言した。こうした動きに対して国連がインドネシア軍の即時撤退を決議するなど国際社会からの批判が高まった。併合以来,国軍による弾圧が続いたが,スハルト失脚後に誕生したハビビ政権は態度を軟化。99年ユ月,中央政府の自治案が拒否されれば独立を容認する方針を打ち出した。99年8月の住民投票では独立派が圧勝。一時,併合派民兵による発砲,略奪,放火などで騒乱状態になったが,9月には国連決議によってオーストラリア軍主導の国際軍が展開。10月には独立派指導者のシャナナ・グスマン氏が7年ぶりに帰還した。インドネシア国民協議会による併合決定の撤回を経て,国連東ティモール暫定統治機構の統治下に入った。現在は国際軍に代わって国連平和維持軍が展開。2002年4月の大統領選でグスマン氏が当選し,同年5月,正式に独立した。